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"前例のない挑戦"に
飛び乗れる人に来て欲しい

株式会社レノバ

代表取締役社長CEO

木南 陽介

Yosuke Kinami

世界を舞台にする「挑戦権」を獲得したところ

—2017年のマザーズ上場を経て、2018年の東証一部上場されましたが、一般的には企業にとって節目とされるそういったタイミングでも、木南社長は「ようやくスタートラインに立ったところだ」と発言されてきました。2020年という今の段階での進み具合はいかがですか?

木南私は山登りをするのでそれに喩えて言うと、やっぱり1合目。世界を舞台に事業展開をしていく「挑戦権」みたいなものは手に入ったかな、というところですね。上場をした2018年時点に比し、社会全体で再生可能エネルギー(以下「再エネ」)への期待は高まっています。再エネ事業に参入した当初に想像していたよりも、更にダイナミックな仕事ができそうだと近未来のイメージが具体化してきたところです。

—「レノバは、日本そしてアジアでのエネルギー変革のリーディング・カンパニーになる」と企業理念で掲げられていますが、具体的には何を「リードする」ことを目指していますか?

木南日本およびアジア全体にとっても、再エネ電源は極めて大切であるとの認識は高まっていますが、足元では、全電源のうちのごくわずかな割合しか導入されていません。他方、欧州はアジアより10年くらい先をいっていて、ドイツでは2019年時点で再エネ電源構成比率が半数近くまで達しています。いずれアジアにもそういう時代は来ます。そのときに我々が何をリードする役割を担っているのか、それを常に考えています。1つ目は技術的に先端的な開発を行っていること、2つ目は規模としてもトップポジションで最大の実績を持っていること、3つ目は最高の社会性というか、環境貢献をリードしていること。そこをもって日本とアジアにおけるエネルギー変革の「リーディング・カンパニー」と言っています。

—先般ベトナムでの事業参画もアナウンスされましたが、これは貴社にとって建設まで至った海外第一号案件だそうですね?

木南これまで相当な数のプロジェクトを検討し、ようやく第一号案件を発表することができました。新型コロナウイルス感染拡大の中、事業パートナーとの最後の話し合いや手続き等を、全てリモート環境下で行ってきました。かなりイレギュラーな対応ではありましたが、そうした状況下でも当社とともに事業を推進することを選択してくれた事業パートナーと、厳しい環境下でも諦めず、総力戦で挑んだメンバーに感謝しています。今回の経験を糧に、今後当社の海外展開は一気に加速していく見込みです。

次の大きな変革に、どこまで踏み込みきれるか

—2012年には、それまでのリサイクル事業から再エネ事業へと大きく舵を切りました。その当時のこと、そして今後について聞かせてもらえますか?

木南私はそもそも環境問題を解決したくて、2000年に当社を立ち上げました。その当時から、いつか日本も再エネへ舵をきるタイミングがくるだろうと思っていて、再エネの事業プラン自体は長年考えていたんですね。よくノートに再エネ事業であれがしたい、これがしたいと書きつらね、実際業務としても2010年になるまでに離島の太陽光発電や、アジアの小水力発電など調査やフィジビリティスタディをたくさん積み重ねていました。2012年に日本の法律が変わり、今に繫がる事業環境が整いました。当時、ほとんどの企業は法制度の施行により再エネ市場拡大の素地が整うのを待ったり、他社の様子をうかがったりしていましたが、我々は既に先を読み、事業プランを作っていたので、素早く大胆に動き始めることができました。
結果として、3年後の2015年には、複数の発電所で運転が開始し、手掛ける電源の規模も段々と大きくなりました。これは経営資源を100%集中させる価値のある事業だと思い、再エネ専業への転換を決断しています。
振り返ると、先読みには、「本当かいな」という怖さはあるものの、先を読み切ったら、ちょっとやり過ぎかもしれないぐらいに思いっきりアクセルを踏んで、何も道のないところへ突っ込むほうが成果が大きいんですね。だから、今来ている変わり目の中でどこまで次の流れを読み、アクセルを踏み込みきれるか、というのが大事だと思っています。

—これまでの中では、特にどれが「やり過ぎかもしれない」仕事でしたか?

木南そうですね、全部じゃないかな(笑)。現在稼働している12発電所全て、どれも皆、日射や森林など自然の資源を信じて思いっきりアクセルを踏んできました(笑)。例えば、我々が秋田県でバイオマス事業を立ち上げようとしていた2014年ころは、国内に大型のバイオマス発電所の事例がありませんでした。当時の常識で言えば、燃料を集めるリスクが高いので、むしろ発電所をどう小さくするかが議論されていた時代です。ただし、後の事業パートナーであるユナイテッド計画の平野社長は違いました。彼は私に、本事業への熱い思いをとことん語ってくれました。本事業をもって秋田県の更なる発展を目指していること、だから世の中の潮流の逆を行く発想で「どう大きくするか」を真剣に考えていることを知り、「これだ!この人と一緒に事業を起こし秋田県を盛り上げたい」と思い、速攻で4億円の出資を決めました。途中、幾度となくダメかもしれない…と思うようなヒリヒリした場面に出会いましたが、現在は無事に秋田県内の杉の未利用材を主燃料とした秋田最大のバイオマス発電所として稼働しています。

—数々の前例のない事業を成功させてきたわけですが、なぜこの短期間で、これだけの開発を進めることができたのでしょうか?

木南色々ありますが、一つは社員それぞれが、自分ゴトとして本事業に取り組んでいるからでしょうね。そもそも社会的使命を大事にしたり、新しいチャレンジが好きだったりする人が自然と集まっている。そんな同じ志をもつ仲間、社員がいてくれたからこそ、前だけを向いて思いっきりアクセルを踏んでこられました。
そして、地域の皆さまの声が大きな原動力となっています。私たちの電源開発は自然豊かな地域でこそ進められます。その土地の皆さまに受け入れられ、応援して頂ける発電所を目指すためには、エネルギー事業プラスαの価値があることがとても重要です。先ほどの秋田のバイオマス発電所もそうですが、私たちは発電所の運営をもって、どうその地域の課題解決を担えるのか、そこにすごく時間と労力を費やします。そうした私たちのポリシーに共感頂き、発電所の完成を待って頂いている地域の皆さまの声をお伺いすると、どうにかしてこの事業を成功させたい、と熱い思いがこみあげてきます。自分以外の何かのためにという思いがあれば、どんな困難があっても、あらゆる手を尽くし、問題に対する解決策が見えくるものです。

とことん話し、自分をさらけ出さねば問題解決はない

—社員の自分ゴト化が短期間の躍進の背景のひとつということでしたが、社員に求めるものは何でしょうか?

木南前例のないことに怯まず挑戦できることです。当社には実に多様なバックグラウンドと経験・能力をもった人材が集結していますが、みんなその点は共通しています。会社そのものがものすごいチャレンジをしているので、その挑戦にワクワクし、飛び乗ってほしいですね。これは、どんな職種や立場においても必要だと考えています。いわゆるオペレーション業務を担うにしても、例えば、扱う機械に対して初めて見るように向き合わなければ、何かを見逃してしまいかねません。どれだけ安定性を必要とするような分野でも、常にフレキシブルに新たな可能性を追求する姿勢は大切でしょう。

そしてチームワークです。私は環境問題を解決したいと思って、約20年前に会社を始めましたが、地球環境をめぐる課題は引き続き深刻な状況です。より課題が大きくなり、もはや、ある程度大きく物量を投じて対応しなければ、解決しきれません。多様な人材が互いのエッジを活かしながらも、一致団結をすることで大きな事業をやり遂げることができます。そのためには、互いを信頼し、「おのれ」というヨロイを脱ぎ、本音で向き合うことが必要ですね。そして、課題があるところをお互いに手を差し伸べる、自然にからだが動くような人たち、そんな仲間が集い、社会的な課題に立ち向かっていきたいです。

—地域とともに事業をつくっていく上でも、同じことが求められるのではないでしょうか?

木南もちろんです。事業の規模が大きくなればなるほど、社会をまるごと相手にすることになります。必ずしも同じ意見ではない方もいらっしゃいますが、私はそういう方々とも膝詰めで肚を割り、とことん話し合うべきだと思っています。そうしなければ、解決の道は見えてきませんから。ある地域で、我々の事業を快くは思っていない方と一緒に山登りをしたことがありました。地元の有名な霊山の一つにもう1200回も登っておられて、山を愛していらっしゃる方でした、その方と時間を共にでき、お話をじっくりとお伺いできたことはとても貴重な経験でした。そのようなプロセスにこそ、手応えを感じますね。地域の方々の懐に飛び込み、お互いにわかり合うために時間を割くことは、当社の事業にとっては欠かせないことです。

失敗を恐れ過ぎず、やり過ぎかもしれないぐらいにアクセルを踏む

—レノバを、どんな組織にしたいですか?

木南私はよく、社員へ「リスクを取れ」と伝えています。失敗を拒絶する企業に成長はないです。考えに考えてリスクをとったうえでの結果なら、失敗したとしても確実にそこからの学びはあります。失敗を恐れ過ぎず、やり過ぎかもしれないぐらいに思いっきりアクセルを踏んで、何も道のないところへ突っ込む、今後もそのスタイルは変えずに守り続けたいと思います。しつこいくらい「リスクを取れ」と言い続けるつもりです(笑)。

そしてまた、メンバーのそれぞれが自分の頭でものを考え、自立的に動く組織が、この仕事には必要です。階層をあまり作らず、各チームが自立的に動くことを理想としています。資金も大切ではありますが、人が動かなければ、どんな問題も解決しないのです。そして、大きな事業を成し遂げるためには、各人の向かうベクトルが揃っている必要がある、だからこそ社内では、本音をどんどん伝え合うことが奨励されています。そのぐらい、自分の意見をさらけ出していい組織なんだということを、前提にして入社して欲しいですね。

当社には中途採用社員も多くいますが、多くの人は最初そうした組織風土に戸惑うようです(笑)。だんだんと型にハマらなくていいんだとわかって、ほぐれてきますね。ほぐれてくると、自分の持っている能力をさらに発揮してもらえる、そうした姿を社内でしばしば見かけるのは、嬉しいものです。

エネルギー変革のリーディング・カンパニーとして、課題から逃げず正面突破で解決する

—民間企業だからこそできる環境課題の解決とは、何ですか?

木南まだ、誰もやっていない事業を具体的に提案し、自由意志で実現できる点です。次に来るべき新しい世界について議論し、それを自ら見出していけることは、やはり面白いですよ。走りながら考え、ファクトを発見しながら、実績を積み上げていく、それを繰り返していくことで、企業としても成長し、どんどんとチャレンジを大きくしていける。そういうダイナミックな活動がこの巨大な課題の解決には必要だと思っています。

—最後に、これまで一気に拡大を図ってきたわけですが、今後、貴社が担うべき新たな役割とチャレンジについてお伺いできますか?

木南当社は再エネ電源の専業会社として事業を拡大してきました、専業化当初は事業開発部隊が中心でしたが、現在は発電所の数も増え、今後も更に拡大していく中では、安全且つ安定的に発電所のオペレーションをしていくという社会的責任も益々増しています。2020年1月にオペレーション専門の組織を立ち上げ、当社の新たな幹として始動したところです。

そして、環境課題を解決するためには再エネを特殊な目新しい電源ではなく、「普通の電源」と呼べるレベルにまで広げることが不可欠です。信頼感があり、且つ市場でも最も競争力のある再エネ電源の供給を目指しています。そのためには、当社の強みであるエンジニアリング力に更に磨きをかけ、積極的に新しい技術を取り入れながらイノベーションを起こしていく必要があります。

課題があるところにイノベーションが生まれる、例えば宮城県で建設を予定しているバイオマス発電所では、それまで国内に事例がなかった空冷システムを開発・導入しました。なぜかと言えば、それは地域の方々が心配している海洋への負荷を抑えるためです。地域との対話を経て問題を解決するモデルケースができれば、それは資産ともなり、今後、他社も含めた社会に生かせるものになるだろうと考えてきました。目の前に見えている課題から逃げず、それを正面突破するための中身をとことん考え抜き、実現させていくことこそが、日本そしてアジアにおけるエネルギー変革のリーディング・カンパニーを目指す、我々の仕事なのだと思っています。

本記事は外部のインタビューアーが2020年にインタビューを実施し、木南が答えた内容をまとめたものです。