GX(グリーン・トランスフォーメーション)事業

  • レノバは、再エネの普及拡大期においてFIT(固定価格買い取り制度)に基づいた発電所の開発・運営を通じた「発電の脱炭素化」を行ってきました。

    今後、再エネ発電所をさらに増やし、クリーンな電力を誰もが選び、利用できるようにするには、発電の先にある、系統や電力購入・販売の仕組みを含む「電力システムの脱炭素化」が必要です。レノバは、FITによらない(Non-FIT)電力を個別企業との相対契約で提供する「オフサイトPPA(電力販売契約)」や、電力供給を安定化させるための「蓄電池」を提供します。

    また、再エネ電力だけでは脱炭素化が難しい産業についても、他の手段による「産業の脱炭素化」が必須です。そのためレノバでは、温室効果ガスの排出量が少ない「グリーン水素・アンモニア」や様々な「バイオマス由来燃料」、将来的には「SAF(持続可能な航空燃料)」「合成燃料」等の燃料の製造や、運輸・産業プロセスへの適応に挑戦しています。

    「電力システムの脱炭素化」、「産業の脱炭素化」は、非常に困難で複雑な課題です。レノバ一社でできることは限られているため、異業種の様々なパートナーを求めています。

    IPCC AR6 WG III, Climate Change 2022 Summary for Policymakersをもとにレノバ作成

  • 「電力システムの脱炭素化」

    Non-FIT再エネ発電所による「オフサイトPPA」

    事業活動に必要な電力を100%再エネで賄うことを目指す国際的なイニシアチブである「RE100」をはじめ、多くの企業が、その取引先も含めて、再エネ電力を求めています。レノバは、PPAを通じてNon-FITの再エネ電力を供給することで、こうしたニーズにお応えします。

    • ①豊富な「量」

      1GWを超える再エネ発電所を建設・運転してきた実績を活かし、今後もパートナーと連携しながら、GW単位のnon-FIT再エネ発電所をスピーディに新規開発し、PPAにて提供します。
    • ②多様な電源の「種類」

      太陽光から始まり、風力、バイオマス、地熱、水力といった様々な種類の電源を開発してきた経験を活かし、複数の種類の再エネ発電所を新規に開発し、組み合わせることで、日中のみならず夜間や季節変動にも対応できる電力を供給します。
    • ③高い「質」

      地域との対話、環境への配慮を重視した開発を行い、またエンジニアリングおよびO&M(運用および保守点検)を内製化することで災害に強く、安定した再エネ電力を供給します。
    • ④さらなる「付加価値」

      再エネ発電所の開発、再エネ電力の供給にとどまらず、出力の変動を抑える蓄電池併設型再エネ発電所や、お客さまとの再エネ発電所の共同開発、オンサイト発電所、再エネ・温室効果ガスの見える化など、+αの付加価値を提供していきます。

    レノバは、パートナーと連携しながら、全国各地でPPAに向けた再エネ発電所を開発し、小売電気事業者や大口需要家に電気を供給していきます。
    今後も、小売電気事業者、小規模太陽光等の発電所の開発・施工を行う企業など、幅広いパートナーとの協業を進めていきます。

  • あらゆる場所に「蓄電池」

    太陽光発電や風力発電は、発電量が天候等の影響を受けて変動しますが、再エネを増やしていくためには電力の安定化が重要です。レノバは、電力網の様々な場所に蓄電池を設置・運用することで、再エネの一層の普及を促進します。

    • ①系統用蓄電池

      出力変動の大きい時間帯や季節変動の大きい地域に、数十MW(メガワット)以上の大規模の蓄電所を設置・運用し、系統運用の安定に寄与します。
    • ②再エネ併設型蓄電池

      既設・新設の再エネ発電所に、適切な規模の蓄電池を設置・運用し、再エネ発電所からの出力の安定に寄与します。
    • ③その他(需要家側等)蓄電池

      再エネ電力を購入・利用する需要家向けに、適した規模のオンサイト/オフサイトの蓄電池の設置・運用し、電力の安定に寄与します。

    レノバは、出光興産・長瀬産業・SMFLみらいパートナーズとの共同出資による姫路蓄電所をはじめ、全国各地や豪州、米国、アジアなどの海外での大規模蓄電所の開発や、米領サモアにおける蓄電池併設型の陸上風力発電事業などのプロジェクトを進めています。 土地所有者、アグリゲーター(特定卸供給事業者)、EPC、蓄電池メーカーなど、幅広いパートナーを求めています。

  • 「産業の脱炭素化」

    電化が難しい産業の脱炭素化に貢献する
    「グリーン水素・アンモニア」

    再エネを増やし、電化できる分野は徹底的に電化することが、効率的な脱炭素化の手段ですが、電化が困難な産業も多く存在します。レノバは、そうした産業に向けて、「究極のクリーンエネルギー」とも言われるグリーン水素・アンモニアを、低コストで製造・供給し、脱炭素化に貢献します。

    既に世界各国で様々なプロジェクトが多数発表されており、電力、ガス・石油、各種産業等、多くの企業が取り組みをはじめています。
    特に、水素の普及拡大には貯蔵や輸送技術の革新に一定の時間が必要とされる一方で、アンモニアは世界で年間2,000万トンが既に流通しているため、インフラが整っており、日本政府も2030年に300万トン、2050年に3000万トンの燃料アンモニアを輸入する目標を発表しています。

    • ①中小規模・地産地消型

      国内外で、数~数百MW規模でグリーン水素・アンモニアを製造し、生産地周辺や近隣地域の産業に供給、地域の脱炭素化に寄与します。
    • ②大規模・輸出型

      再エネコストが安価で事業環境が整っている各国を中心に、GW(ギガワット)規模でグリーンアンモニアを製造、また将来的には水素を製造し、生産国への供給に加えて日本などの需要国へ輸出して世界の脱炭素化に寄与します。

    レノバは、再エネ発電事業で培ったプロジェクト開発、エンジニアリング、ファイナンスの知見を最大限に活用し、化石資源由来の発電で製造する「グレー」水素・アンモニアと競争できる低コストの「グリーン」水素・アンモニア製造事業の開発を、現地パートナー企業とともにスピーディに進めています。
    また、豪州、欧州、米国、アジアなどでグリーン水素・アンモニアの製造事業の開発や、NEDO調査事業を経て、ラオスの余剰再エネ電力を活用したアンモニア製造事業の開発を日立造船と共同で進めています。
    プロジェクト開発事業者、EPC、物流事業者、水素・アンモニアユーザーなど、幅広いパートナーとの協業を拡大していきます。

    未利用資源を有効活用する
    「バイオマス由来燃料」

    バイオマス由来燃料は、バイオマス専焼発電所だけでなく、石炭火力発電での混焼燃料、またその他幅広い領域の脱炭素化で使われ始めています。用途が拡大する一方で、まだ活用されていない資源が世界中に存在するため、それらを高付加価値化する事業の検討を進め、脱炭素化に貢献します。

    • ①バイオマスペレット

      既に広く使われている木質資源に加え、他の未利用の木質資源、ゴムやパームほかの農業副産物等を原料とした輸送性や燃焼性に優れる燃料を製造・供給し、また燃焼方法等を提案することで、効果的な産業の脱炭素化に寄与します。
    • ②ブラックペレット

      用途が限られたり、扱いが難しい性質のバイオマス資源については、耐水性・粉砕性を高めるために「半炭化」等の最小限の加工を行い、コストを抑えたペレットを製造・供給し、産業の脱炭素化に寄与します。
    • ③その他の燃料

      ペレット燃料の利用が難しい産業、領域に向けて、未利用バイオマス資源を原料としたSAF(持続可能な航空燃料)やバイオディーゼル、合成燃料等の開発も進め、更に幅広い産業の脱炭素化に寄与します。

    レノバでは、北米やアジアのペレット及びブラックペレット製造事業、その他のバイオマス由来燃料や運転条件等の試験、開発の検討を進めています。
    植林事業者、燃料商社、燃料技術会社、バイオマス由来燃料ユーザーなど、様々なパートナーとの連携を進めていきます。

メディア掲載

再エネの旗手・レノバが新規事業に本格着手Non-FIT、グリーン燃料から蓄電池まで