バイオマス発電は、化石燃料を使用するよりも、燃焼時に発生する有害物質が少ない発電方式となります。
バイオマス発電事業の運営にあたり、バイオマス燃料の燃焼時に発生する窒素酸化物、硫黄酸化物、ばいじん等の大気汚染物質について、法定の排気基準をクリアする大気汚染防止装置を設置する設計・施工を行い、地域の住民の方々が安心できるよう努めています。
環境
安全な排気
<大気汚染物質の排出量データ>
2023年度および2024年度の当社バイオマス発電所における大気汚染物質の排出量は、下記のとおりです。各拠点において、法令等で定められた排出基準値を下回りました。
引き続き、排出量の管理を行い、低水準の排出を維持していきたいと考えています。
2023年度 | 2024年度 | 目標 | |
---|---|---|---|
バイオマス発電所 | 4拠点 | 6拠点 | 各拠点において法令等で定められた排出基準値を下回ること |
NOX排出量* | 552 トン | 877 トン | |
SOX排出量* | 7 トン | 23 トン | |
ばいじん* | 29 トン | 22 トン |
- *排出ガス中の濃度(測定値)と排出ガス量から算定
廃棄物の抑制・再利用
太陽光発電では、建設時の造成を最小限にして土砂や伐採木などの廃棄量を少なくしています。また、発生した土砂や伐採木などは、可能な限り発電所構内で再利用しています。
バイオマス発電では、バイオマス燃料の燃焼によって生じる灰のリサイクルを実施しています。秋田バイオマス発電所では、木質チップなどのバイオマス燃料をボイラーで燃焼させる前に乾燥させる工程で使用する乾燥機の熱源として、建築廃材を利用しています。
<廃棄物・リサイクルのデータ>
2024年度の当社バイオマス発電所における焼却灰、ばいじんの再資源化率は、それぞれ20%、28%となりました。
引き続き、再資源化率向上に向けて、関係各所との検討を進めてまいります。
2023年度 | 2024年度 | 目標 | ||
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バイオマス発電所 | 4拠点 | 6拠点 | 再資源化率を前年比で向上させる | |
産業廃棄物発生量 | 26,876トン | 51,149トン | ||
(内訳) | 焼却灰 | 12,908トン | 25,438トン | |
ばいじん | 13,798トン | 24,954トン | ||
汚泥 | 133トン | 451トン | ||
その他 | 38トン | 304トン | ||
再資源量 | 焼却灰 | 3,263トン | 5,102トン | |
ばいじん | 4,748トン | 6,871トン | ||
再資源化率 | 焼却灰 | 25% | 20% | |
ばいじん | 34% | 28% |
安全な排水
レノバは、水資源の有効活用の観点で、発電所の建設・運営において利用する水資源を可能な限り最小とすること、利用した水資源について環境負荷の少ない形で自然に返すことに努めています。
例えば、発電所内の油やごみの海へ流出を防ぐために、建設工事時から一貫して、油水分離槽を設置する等の対策を講じています。
また、レノバの多くのバイオマス発電所では、タービンから排出された蒸気の冷却方式として一般的な「水冷式(タービンから排出された蒸気を冷却するため海水や工業用水等を利用する方式)」ではなく、水をほとんど使用せず空気でボイラーを冷やす「空冷式」を採用しています。これは、水資源の有効活用や、温排水による影響の解消に資すると考えています。
「空冷式」を採用することで、「水冷式」の発電所と比較して水の使用量を84%削減*しています。*当社発電所の稼働実績より算定
<水使用量に関するデータ>
2023年度および2024年度の当社バイオマス発電所における水使用量は、それぞれ2,268千㎥、2,595千㎥となりました。
引き続き、水使用量の適切な管理を行ってまいります。
2023年度 | 2024年度 | ||
---|---|---|---|
バイオマス発電所 | 4拠点 | 6拠点 | |
水使用量 | 2,268千㎥ | 2,595千㎥ | |
(内訳) | 工業用水 | 2,223千㎥ | 2,428千㎥ |
上水 | 44千㎥ | 166千㎥ |
温室効果ガスの削減
売上高*1あたりCO2排出量
事業セグメント | 排出源 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
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スコープ1 直接排出 |
発電事業 | 燃料*2 | 759 | 782 | 1,114 | 1,107 | 1,527 | 3,288 |
開発・運営事業 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||
合計 | 759 | 782 | 1,114 | 1,107 | 1,527 | 3,288 | ||
売上高*1あたりCO2排出量 (t-CO2e/年・百万円) |
0.044 | 0.035 | 0.044 | 0.034 | 0.040 | 0.052 |
スコープ2 間接排出 |
発電事業 | 電力 | 1,929 | 2,407 | 2,533 | 2,645 | 2,471 | 4,754 |
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開発・運営事業 | 電力*3 | 61 | 61 | 69 | 62 | 41 | 0 | |
熱 | 26 | 22 | 26 | 24 | 20 | 21 | ||
合計 | 2,016 | 2,490 | 2,628 | 2,731 | 2,532 | 4,775 | ||
売上高*1あたりCO2排出量 (t-CO2e/年・百万円) |
0.117 | 0.113 | 0.104 | 0.083 | 0.066 | 0.075 |
スコープ1 + 2(合計) | 2,775 | 3,272 | 3,742 | 3,838 | 4,059 | 8,063 | ||
売上高*1あたりCO2排出量 (t-CO2e/年・百万円) |
0.161 | 0.148 | 0.148 | 0.117 | 0.105 | 0.127 |
- *1毎年1月~12月の期間における連結売上高をもとに算出
- *2 スコープ1には、燃料の乾燥に用いる木くずから発生したCH4をCO2換算した排出量、および重機等に使用する化石燃料から排出されたCO2を含む。バイオマス燃料の燃焼時に発生したCO2は、燃料となる植物が成長する過程で吸収したCO2とほぼ同量であり、排出と吸収が相殺されるため含まない。
- *3 スコープ2の開発・運営事業の電力(2024年)は、使用量に相当する非化石証書を購入している。
CO2削減目標
レノバは、グリーンかつ自立可能なエネルギー・システムを構築し、枢要な社会的課題を解決することをミッションに掲げ、脱炭素社会の実現に向けて再生可能エネルギー発電所の開発や運営規模の拡大を進めることを通して徹底したCO2削減の貢献を進めます。
項目 | 目標 | 目標年 |
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社会へのCO2削減の貢献 | 累計2,000万トン | 2030年 |
項目 | 社会へのCO2削減の貢献 |
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目標 | 累計2,000万トン |
目標年 | 2030年 |